消えてしまう青春を前向きに切なく歌う『ReLIFE』オープニング曲『ボタン』
社会人が見た目だけ若返って高校生活を1年間だけやり直す。
こんなの最後は別れが切ないって決まってんじゃんかよー!
第1話が丸ごとYoutubeで公式配信されてます。登録もなにも要らないのでぜひ観てください。
この第1話でオープニング映像を見ると、だいたいどんな話で最後にどういうところまで展開するのかがわかります。
「別々に終わった青春も
全部 優しい日々だった」♪
のところで主要6人。この6人と+3人でだいたい過ごしたこの1年を述懐。
「明日にはもう 誰もいなくなって
孤独とも違う震えを知る朝が来る」♪
主人公の海崎 新太(かいざき あらた)28歳(この時点では誕生日過ぎてるはず)が、この1年にあった出来事、スマホの中の思い出の写真を見る。
この物語は、
社会復帰のために「1年間の高校生活を送る秘密実験」の話。
これって完全にターゲットが現役層じゃなくてアラサー以上。
普通の高校生たちが普通に青春してます。起こる出来事も普通。その中に、この実験に関わってる人がいる、っていうだけ。
それが良い。
高校生に戻るっていう設定を転生モノじゃなくて、SF的な理由づけでやってるんだけど、残念ながらそこんとこには論理的社会的倫理的にちょっとばかりの無理が山々ある。
しかーし、そこいら辺のマクロ的なあり得なさを寛容にスルーできてさえしまえば、ミクロ的な個人の感情については、とても示唆に富んだ話になっています。
自分の意志とか理屈もなにもわからず転生した話では決して味わえない心の葛藤があって、そこがこの物語のポイントなんですよ!
オープニング映像は、典型的に理想的な青春群像。
「放課後にしかない 茜の空も」♪
河原の土手にメインキャラクター9人が集まって夕焼け空を見る。このシーンが素晴らしい。
こういう絵が歌詞と合った状態でいいメロディと共に有るかどうか。
これがあるだけでもう青春アニメとしては名作主題歌認定しちゃいますよ!
それとフォークダンスのシーン。
「さよならなんて似合わない」♪
ここも歌詞に合わせたアニメーションがまた素晴らしい。ちゃんと各キャラたちそれぞれの性格通りの動きをしてる。なんでヒロインの日代 千鶴(ひしろ ちづる)は男子の輪のほうに行っちゃうの?っていうドジなところも含めて。
「運命が遠く掛け違えても」♪
日代の動きにつられて男子の輪から弾かれた夜明 了(よあけ りょう)は海崎とのペア成立しそうで不成立。ここは掛け違い。苦笑する海崎。日代はいつものほぼ無表情。
この一連の動きと各キャラの細かい表情が楽しいんですよ。
大神 和臣(おおが かずおみ)がしっかり狩生 玲奈(かりう れな)の方を見てるんだけど、ちゃんと玉来 ほのか(たまらい ほのか)を見送ってから狩生を見て笑顔になるところとか、微笑ましいですなぁ。
なお、間にインサートされるスカートが揺れるショットは狩生なんだけど、これは ほのか で見せて欲しかったなぁー。この並びでいくとその演出をするのは無理があるのは承知してんですがね。そこが個人的にちと残念ですな。
曲の最後、映像で、みんな消えてしまう。
高校時代とか青春っていう時期、いまこのときは、大人になってしまったら、消えてしまうものだし、ほつれてしまう、だから大切!っていう歌。
主題歌のPENGUIN RESEARCHメンバーへのインタビュー記事。
この物語全体が、それを伝えてるんだけど、このオープニング曲&映像でもまんま表現されてます。
そもそもそういう設定なんだから最後はそうなるっていうのはわかってるわけで。オープニングだけで切ないです。
こっちの対談は原作者とアニメ監督の思いっきりネタバレ解説
(※未見の人は注意!)。
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●主題歌DATA
オープニング曲
『ボタン』PENGUIN RESEARCH
作詞・作曲:堀江晶太
編曲:堀江晶太、PENGUIN RESEARCH
オープニングアニメーション
絵コンテ・演出:小坂 知
作画監督:山中純
原画:堀内博之、そえたかずひろ、とみながまり、北山修一、高木信一郎、小坂 知
背景:スタジオPABLO
撮影:T2studio
●テレビアニメ『ReLIFE』DATA
2016年7月~9月
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/だぶるいーぐる