『夜空』星のように微かな光の美しさ。『恋する小惑星』ED曲
ちょい辛い疲れたときなんかに星空を眺めると癒やされるってのが多少あるわけで。
そういう意味でも天文部(この作品では天文部ではないが)を扱うアニメってのは定期的に必要だと思うわけですよ。
もちろん夢を追いかけるときにもね!
本編からの流れでエンディングに入っていくので、イントロに映像とセリフが被る。
「昨日よりも きっと 強く」♪
固定デフォルト映像の初っ端は桜先輩こと桜井 美景(さくらい みかげ)からスタート。このチョイスはどうなんかと初見では思うんだけど、試験管を若干物憂げな表情で見つめるっていう絵はなかなか悩み多き年頃な乙女なのかオタクなのかいずれにしても高感度アップで「強くなれるかな」っていう歌詞と合わせて、この処理はナイスって感じ。
「なれるかな そんな言葉」♪
2人目はイノ先輩こと猪瀬 舞(いのせ まい)。安定のかわゆさですわ。
そして3人めは桜井 千景(さくらい ちかげ) / チカ。
彼女は本格的には9話からしか登場しないのにけっこういい扱い。
「繰り返し」♪
そしておなじくナナこと七海 悠(ななみ ゆう) も。
「ちっぽけな」♪
「心を試してる」♪
この歌詞のタイミングでモンロー先輩、森野 真理(もりの まり)。「心を試してる」っていうのはアニメ中盤あたりを見るとわかる通り。
ここまでで主役2人以外の地学部員たちが一通り登場。
カバンに付けたくじらのマスコットを指先でつつくカットに切り替わります。なお、ここもまださっきの歌詞が被ってます。そこがね。いいよね。
Bメロに切り替わる間奏が入って、
そう、くじらのマスカットは本作のヒロインといってもいいでしょう、真中 あお(まなか あお) 。
「言葉はいらない 顔をあげ」♪
まさにここは言葉が要らないですよ!膝にかばんを抱えて微笑んでいるあお。激可愛い!もちろん本編第1話を見たならこの表情の意味はもうわかってますよね!恋するアステロイド状態ですよ!主人公の木ノ幡 みら(このはた みら)との出来事を思い出してるあお。そして姿勢を直す仕草がまた可愛い。
「顔をあげ」♪
「夜空を」♪
シーンが切り替わってベランダで夜空を見るみら 。
「旅しよう」♪
曲の構成としてはBメロっていうよかAメロとサビとの繋ぎ的な役割ですね、この部分。
みらの横顔アップ。なにかを見つけて、笑顔になる。これは変光星ミラを見つけたんでしょうかね。一瞬、星の髪飾りが大写しに。子供の頃は髪をゴムかなんかで止めてるだけだったのが星のアクセサリーになってるわけです。そう!そのきっかけはもちろん次のシークエンス。
サビ前の短い間奏。
瞬間の短いカットで子供の頃のみらとあおが登場。
月夜に星咲高校(?)に忍び込んでみらをひっぱるあお!実際にはこんなことはなかったので空想というか象徴です。この一連のシークエンスは。
でもって、ここではあおがみらの手を引っ張ってる!
階段を上がったところで待つあおに手を上げて応えるみら。
地学部の部室であおが操作する望遠鏡を嬉しそうに見るみら。
そして最後は流星ですよ!やっぱ星をテーマにするとなったらワンカットは必要ですよね流れ星。
こっからサビ!
「僕らが描いた未来は」♪
このサビが素晴らしい!どっかで聴いたことがあるような気がするんだけど、それは置いといて、めっちゃいいですよ!
映像では一転、地学部全員集合で空を見上げます。始めは屋上っぽい場所。実際には3年生2人の卒業と入れ替わりで1年生2人が入ってくるので全員が制服姿で揃うことはないはずなんで、これはイメージカットですね。
それで、ここの歌詞。地学部員たちが描いた未来のことですよ。僕らはやっぱ未来を描くわけですよ。これが部活の素晴らしさですよ!
「遥か遠い道の途中」♪
校庭の昼間、夕方、そして時の鐘カット・・・このパートの背景はバージョン違いがあります。
「涙も 笑顔も」♪
そして星空。星が地球の自転でゆっくり動いてるのは早送りスピード。
「分かち合えたらいいね」♪
なわけでやっぱり全員がそろって空を見てるっていう現実じゃなくて、地学部としてのイメージ。
そんなに劇的な話じゃないんですけど。結構みんなそれぞれ夢とか好きなことが明確なんですよね。
この部活って、興味なかった人が無理やり引っ張られて入ってだんだんハマっていくっていうんじゃないところがいい。それでいて地学部内のいろんな分野を知ってそれぞれの良さにも気づいていくっていうところがね。
そしてサビ後半ですよ。ここからが完全に2人の世界!ここからですよ!
「遠く光る 空の彼方」♪
シチュエーション的にはさっきのシーンの続き。座って星空を見るあおの隣にみら。風で髪とスカートがなびいてる。背景ではなにか光ってる点がゆっくり降ってきてる。現実の背景ではなくちょっとだけ幻想的なシーン。
「探したいものがあるなら」♪
カット変わって後ろからの絵。あおがみらの方を向きます。あおに話しかけるみら。
「信じよう」♪
ちょっと驚いた表情のあお。
「一人じゃないから」♪
ですが、すぐにうなずきます。
あおが手を伸ばして、
「歩きだせる」♪
みらが手を握る。
再びロング・ショットになって、あおが立ち上がります。
この流れは歌詞通り。
でもって背景はリアルな星空そして天の川。やっぱ天の川も必須ですよね。
そしていろんな監修が入ってるだけあってさすがのリアル度!嬉しいじゃないですか。こういうのをキチンとやってくれるってとこが。
この作品、百合で萌えってのをもっと主眼に置くことも出来たはずだけど、そこを抑え気味にして教養度高いんですよ。
でもってみんな普通の子ばっかりなんですよね。まぁ地学が好きっていうのがちょっと希少な子達ではあるけど。それが派手なことはほとんどなくても、ちゃんとやりたいことに向かっていってるってのが良いのですよ。
この曲もね、夜空の星のように微かな光の美しさなんですよ。
とくに思うようにいかない状態で本編が終わる回にかかると泣ける曲です。
●主題歌DATA
エンディング曲
『夜空』鈴木みのり
作詞:中村砂羽
作曲・編曲:h-wonder
(フライングドッグ)
エンディングアニメーション
絵コンテ・演出:中山直哉
作画監督:松浦麻衣
原画:中山直哉、田中一真、内田陽子、白星小乃夏、す て、TOMATO、coge
動画検査:小田道子
色指定・仕上検査:伊藤裕香
制作進行:増田拓朗、小林 涼
●テレビアニメ『恋する小惑星』DATA
2020年1月~3月
原作:Quro(芳文社「まんがタイムきららキャラット」連載)
監督:平牧大輔
アニメーション制作:動画工房