【きみの名前 / 藤川千愛】救うことで救われる勇者の詩 『盾の勇者の成り上がり』第1期第1クールエンディングテーマ
歌詞からすると主人公:岩谷 尚文(いわたに なおふみ)の歌なんだけど、メインヒロンのラフタリアでも通じる。どっちも酷い目に合って絶望してるからね。
ラフタリアの方は、悲惨だけど物語の中ではよくある話。でもナオフミの方は視聴がちょっと苦痛なレベルのヒドイ目にあってかなり胸糞悪い。
アニメ本編を観て、この酷さを耐えると、この曲の素晴らしさ(そしてもう一曲)にたどり着けるので、なんとかそこを乗り切っていただきたく。
このエンディング曲と映像は第2話から。
絵のタッチがやさしくていいよね。
そして、二人が行動をともにし始めた頃、まだ子供(その後も内面というかあっちの方ははだお子ちゃまだけど)のラフタリアが可愛いよね。この状態でのエピソードがもうちょっと欲しかったよなぁ。
それがあったからって大筋は変わらないんですけど。実際問題その辺はこのエンディング映像で補完!
「抜け殻みたいな空に」♪
「何を見ていた」♪
「目覚めた理由ですら」♪
「分からなかった」♪
……と、砂漠のような荒野に朽ち果てた船の残骸のようなものが映って、カット切り替わっていく。
「信じることに」♪
「酷く怯えていた」♪
「だってぜんぶ」♪
「捨てたんだ」♪
上空からのカットで足跡が続く荒野、歩いているのはラフタリア。
「こんな世界ならもう」♪
同じく荒野を歩くナオフミ。画面右から左への向き。
「消えてしまえと」♪
ここがね、思いっきりナオフミの歌ですよ。めっちゃヒドイ目にあってるんでね。そりゃ荒みますよ。
「憎んでいたんだ」♪
ナオフミのアップ。髪ではっきりとはわからないが険しい表情っぽい。
「張り裂けそうだよ」♪
「信じても?」♪
「ほら」♪
ここで曲調が明るく変わる。盾の中心部分のパーツが光る
「キミの声が」♪
カット変わってカメラが右から左へパンしていくと、ラフタリア。
「僕を救うよ」♪
まだ子供のラフタリア。ちょっと驚いたようなわずかに笑顔。
ナオフミを見つけたラフタリア、このショットがめっちゃ可愛い。
「何度も」♪
「呼び覚ますよ」♪
駆け出すラフタリアの足元。
「キミが教えてくれた想い」♪
ナオフミのアオリ。子供の目線での大人の男。めっちゃ頼りがいある感じ。それでいて孤独な感じ。絶望で立ちつくしてる感じ。これがねぇ、めちゃめちゃいいショットなんですわ。この絵1枚でナオフミの精神状態もラフタリアから見たナオフミっていう存在も、表現されてる。最高ですよ!
空が、ナオフミの心情を表す怒りの赤から、穏やかな夕暮れ時の色に変わる。
「そうなんどだって」♪
ナオフミにくっついて安心しきった笑顔のラフタリア。
「キミの名前を叫ぶよ」♪
カメラが画面のやや左下を中心にして引いていく。
「強くその手を握って」♪
ラフタリアの表情をずっと見せて、ナオフミは、あんまり表情わからないんですよね。それでも穏やかな表情にはなってる。わずかに微笑んでるようにも見える。ラフタリアの笑顔があるので、この笑顔を守ろうという決意みたいなものは、そこから見て取れる。そこ重要ね。
「もう離さない決して」♪
「どんな未来も」♪
「キミとなら逃げない」♪
ラストは砂が高く盛り上がって丘のようになってる場所から海を見ている二人。
ナオフミ自体の感情はまだ死んでるんだけど。でもラフタリアに愛情といえるかどうかってくらいの、想い、を与えようとしてる。そしてそれをすることが自分の方をこそ救っていると。
この時点ではまだそれが、おぼろげなんだけど、わずかに見て取れる。そこの状態がいいんですわ。
「盾の勇者の成り上がり」藤川千愛インタビュー「ラフタリアは「見つけた光」。歌に込めた、尚文の想い」 | WebNewtype
曲のボーカルと作詞にも入ってる藤川千愛は、Season2のエンディング曲も歌ってて、それがこの曲の続きというか。
それはそれはもう凄い凄い凄いことになってるので、次の記事で書きました。
●主題歌DATA
エンディング曲
『きみの名前 』
作詞:高橋花・藤川千愛
作曲:大畑拓也
編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
歌:藤川千愛
(日本コロムビア)
(2話、3話、5~12話、25話)
エンディングアニメーション
絵コンテ・演出:阿保孝雄
作画監督:諏訪真弘
レイアウト:荒川眞嗣
原画:アミサキリョウコ 小林麻衣子
動画:鈴木水彩、三沢瑞希、岩田真衣、上武優也
色指定・検査:岡松杏奈
仕上げ:岡松杏奈、松本麻衣、渡邉由佳
背景・ハーモニー処理:インスパイアード
撮影:T2 studio
制作進行:山本浩暉
(2話、3話、5~12話)
●テレビアニメ『盾の勇者の成り上がり』DATA
2019年1月~6月
アニメーション制作:キネマシトラス