青春アニソン部

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『天体のメソッド』2段構えのイントロで感情を揺らすエンディング曲【星屑のインターリュード】

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 ©霧弥湖町観光協会

 

この曲イントロが約40秒もある。

通常90秒(無音部分を0.5秒ずつ前後に入れないといけないので実際は89秒)ってのがTVアニメのオープニング・エンディング曲に与えられた時間なので、長すぎる。

 

なんでそうなってるのか、その秘密はっていうと、実はイントロ前半部分の約20秒が本編中に流れるのだ。

そしてイントロが転調してイントロ後半部分に入ると同時に毎週固定のエンディング映像が始まる。そのイントロ後半が20秒あるのだ。

 

本編演出からのつながりでエンディングに入っていくって手法は、いつ頃から始まったのか、随分と増えた。このエンディングは毎回固定でこのパターンなんだけど、毎回イントロ転調してちょっとしたところあたりで喉の奥からこみ上げてくるものがある。

 

うまく貼れるリンクが【公式】無料公開されてる第17話だけなんで、一応こちらに本編視聴済みの人向けに置いときます。

ネタバレが嫌な人はアマゾンプライムとかで第1話から観ましょう。

youtu.be

 

 

この曲の構成は、イントロA→イントロB→Aメロ→Bメロ→サビ

 

イントロAはとても落ち着いた曲調。癒し感ある。

それが終盤にシンセ音が入ってきてイントロAのストリングスを引き継ぎつつ躍動感のあるバンドの楽器が被るイントロBになる。

 

これがね、いいんだわ。映像はひまわり畑に蓮の葉を傘代わりにして歩くノエル。そして雨上がりの水たまりの軽い下り坂を駆けていく乃々香(ののか)。

 

ノスタルジーというか、こうあって欲しい理想というか、あっしはこういうものを求めてるのよ常々!

 

そのまま明るくAメロ。

 「揺れる水面 その深くに」♪

 「青い宇宙映ってたね」♪

こういう美しすぎる光景の歌詞って、いいよね。

 

しかし、最後の歌詞が不穏。

 「未来…そしてまた散っていく」♪

 「季節覚えている?」♪

 

そしてその不穏さが曲に表れて転調Bメロ。

 「私たちは運命紡ぎながら」♪

 「その糸がどこまで続いてくのか」♪

 「知らないままで」♪

 

だがそこにコーラスで

 「ただそこに」♪

が来て盛り上げる。

 

サビ

 「inspiration 喜びとか」♪

 「言葉を分かち合うたび」♪

ってこのメロディがいいよね。

 

そいで明るく持ち上げといて、

 「ああ いつか終わりの日が来る」♪

とまた悲しいことを言うわけですよ。

 

ところが、

 「そう感じさせるよ」♪

そこでノエルが、歯を出してニカっていう笑顔。これがね、やられるわ。カウンターパンチ食らわされる感じ?

 

その後にもまた悲しいことを歌うんだけど、そこで湊太(そうた)が立ち上がってお尻のホコリを払う動作がまたいいんですわ。彼は前半のスタンド段での立ち姿もいいよね。

 

 

この曲、ちょっと上げといて落とす、みたいな下げといて上げる、みたいな感情の揺らし方が絶妙なんですよ。

高揚感と不穏感のいったりきたりが。

 

悲しいことを覚悟してあえて明るく歌う、んだけどやっぱり最後はちょい沈むとかね。

 

そんなに派手派手しく曲調が変化するわけじゃなくて、気づかずに感情揺らされてるというか、あまり主張せずにわからせるというか。

その辺の構成がほんと上手いなと。

 

映像も地味な動作をしっかり描いてるところと、それが突然アニメならではの動きが入るところ。見ごたえありますわ。

 

●主題歌DATA

エンディング曲

『星屑のインターリュード』fhána
作詞:林 英樹
作曲:佐藤純一
編曲:fhána
ストリングスアレンジ:川本 新
歌:fhána
(第1~6話、第8~10話、第12、13話、OVA、第17話)

エンディングアニメーション

絵コンテ・演出・作画監督・原画:江畑諒真
動画検査:羽田智織(1話~12話、16話(OVA))、原 美雪、中島孝人
色彩設計・色指定・検査:加藤里恵
背景:草薙
撮影・3DCGI:T2 studio
担当制作:久保秀彰、大溝輝久

(13話特別エンディング)
絵コンテ・演出:迫井政行
作画:秋谷有紀恵、白梅幸子
動画:古澤祐紀子
2Dワークス:荒木宏文
仕上:加藤里恵
背景:伊藤 弘(KUSANAGI)
撮影:出水田和人(T2 studio)
担当制作:久保秀彰

 

●テレビアニメ『天体のメソッド』DATA

2014年10月~12月
アニメーション制作:Studio 3Hz