【コスモスに君と】を超えるエンディング曲は存在するのか?『伝説巨神イデオン』ED
TVアニメ史上、最高のエンディング曲は何か?
それは、【コスモスに君と】を超えるエンディング曲は有るのか?という問いに等しい。
もちろん私見ではある。
あまたの名曲があることは重々承知してはいるが、だからこのブログを書いていっているのだが、だが、それでもこの曲か、それ以外か、というレベルの名曲中の名曲。
歌詞、メロディ、アレンジ、歌唱、すべてが最高、かつ作品のテーマを見事に表現している。圧倒的完成度。
まず歌詞。
戦争が起こって宇宙を逃げ回るっていう壮大な話の中に、恋愛要素が入ってると思ったら、実は追い詰められていく人々のドロドロ人間ドラマ。それを越えてのスピリチュアル。
宇宙の壮大さの中で人間のなんと小さなることか。
母星に捨てられるっていうような状況で、やることは慈しみを分け合うことくらい、ですからね。
精神性においても、
そんな極限状態なのに、だからこそ、道化芝居してしまう人間の精神の矮小さよ。
にもかかわらず、
コスモスを駆け抜けて、祈りを届けようと。
この曲の恋愛関係っていうのは、ものすごい恋に落ちて愛し合いまくって、っていうようなものじゃないのですよ。終わりない旅をたまたま一緒に歩むことになってしまったのでそういう関係にならざるを得なかったっていうだけ。
にもかかわらず、
宇宙を放浪しつづけて潰えても、それでも祈りを届けようと。
この内面での魂レベルの崇高さがありながら、道化芝居としてしかその愛を表現できない不器用な人間の哀しみ。
宇宙と人間、祈りと道化芝居。
あまりに崇高なものと、戯れ事と。
このとんでもない落差。
この曲は、スペースランナウェイであるところのイデオンという話を表現した曲なんだけど、同時に、どこにでもある人生模様が行き着いた先の魂的ななにかにおいて誰にでも当てはまるのではないか。
それはもう宇宙的規模の普遍性ですよ。
まったくもってなんという歌詞なのか!井荻 麟(富野由悠季)、凄すぎるわ。
そして、すぎやまこういち先生の曲。これがもう、素晴らしいとしか。
(※この記事は訃報に際し、いつか書くつもりであたためていたのを急遽まとめてます。ほんと素晴らしい曲の数々をありがとうございました)
イデオンはBGMも最高ですよ!
この曲ねぇ、とても優しいんですよね。メロディもそうだけど、編曲がね。
歌詞にはキツイ言葉が入っているんだけど、それすらも包み込んでしまうような大きさがある。
サビのドラミングもいいよね。
MADなんだけどあまりに素晴らしいのでこちらの動画を。
もういまさらネタバレとか別にいいでしょ。
発動篇でこの曲を使って欲しかったよなぁ。
ほんと発動後の作画は神。
キャラクターデザインに加えアニメーションディレクターという肩書の湖川友謙の仕事はガチすごいもんがある。
このサントラ盤のジャケットとか完全にアート。
そしてそして戸田恵子の歌ですよねぇ。感情の入れ方が、当事者の感情よりも俯瞰的。もはやより高次の存在が歌ってる感じすらある。
やっぱテレビシリーズが打ち切りにならずに最終回までもっていって、最後にこの曲がかかったら、完全に作品として発動してたね。
この曲の本当の真価が発揮される筈だったわけです。
その思いがあるのであえてこちらの動画を貼りました。
●主題歌DATA
エンディング曲
『コスモスに君と』
作詞:井荻 麟
作曲・編曲:すぎやまこういち
歌:戸田恵子
●テレビアニメ『伝説巨神イデオン』DATA
1980年5月~1981年1月
アニメーション制作:日本サンライズ